本校の学校の玄関にも門松が左右に対をなして二本立てられています。
松は千歳を契るとも、千年の齢を保つとも言われ、縁起の良い樹です。
また、松は常緑樹なので、冬の寒さの中にも青々とし、生命力の象徴と見られますが、
これはキリスト教の行事であるクリスマスに、寒い冬に緑を保つ常緑樹のモミに生命力を感じ、
クリスマスツリーとして溶け込ませたゲルマン民族の土着の信仰と通じるところがあると思います。
しかし、どうも門松はそれだけではなく、夫婦や家庭の姿としても意味を持っていたようです。
一カ所から葉が二本出る二葉松は夫婦の姿にも映るようで、
鎌倉祇園の天王唄では、「こぼれ松葉を、あれ見やしゃんせ、枯れて落ちても二人づれ」と唄われていました。
また、枝が幹を取り囲むように輪生している様子は一家団欒の相としてとらえていたとのこと。
そのためか、門松は片方がクロマツ(雄松)、もう片方はアカマツ(雌松)が正しいようです。
確かに松の樹皮の色だけでなく、硬く強いクロマツの葉と柔らかくしなやかなアカマツの葉は、
夫婦の形として意義を見いだすことができたのでしょう。
本校の門松は両方ともアカマツですが。
年頭に門松を飾るという伝統に隠された先人の気持ちを少しでも理解できたらと思っています。

