カエルちゃんのおもしろ話 <その1> 林希巳与

ノストラダムスの予言の回で紹介した高3の娘のおもしろ話をご紹介します。

娘がまだ、よちよち歩きの頃、近くの畑に散歩に行きました。畑の中で何やら楽しそうに遊んでいる娘。突然、「まぁま~。」と呼ばれたので、振り返ると、満面の笑みを浮かべて立っている娘。「どうしたの。」と私。その瞬間、娘が小さな両手をパッと広げました。覗いてみると、そこには、息絶え絶えのアマガエルが2匹。

「・・・。」

大好きなカエルを捕まえて、ギュッと握りしめたのでしょう。力加減もわからない1才児に握りしめられたらたまったものではありません。かわいそうなカエルたち。娘は小さな頃から、それくらいカエルが好きだったのです。(カエル嫌いの方、ごめんなさい…。)なので、今後、娘のことをカエルちゃんと呼ぶことにします。

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。今回は、カエルちゃんが小学校5年生の時のお話です。

その日はいつも行くスーパーでなくて、ちょっとリッチな気分でお刺身を買いに、近所の鮮魚を販売しているチェーン店に行きました。当然、カエルちゃんも一緒です。食べることが人一倍好きな私は、そこに行くと気分が高揚してしまいます。とれたての旬の魚やきれいに整えられたお刺身の数々。ちょうどいい塩加減で焼かれた鮎など、もう、見ているだけで食欲が湧いてきます。お目当てのお刺身を買い、いつも、カエルちゃんのおやつにしている「スルメの足」を買いものカゴに入れました。スルメの足は、スルメイカを干したもので、俗にアタリメと呼ばれているものです。軽くあぶって、マヨネーズ、七味、おしょう油でいただくと絶品ですね。足なので、この足の部分のみたくさん入って、一袋500円とお値打ちで、おやつの定番にしていました。

その時、カエルちゃんが、「お母さん、今日はこっちがいい!」と、あるものを指さしました。そこには、「タコの足」というものがあって、タコの足を乾燥させたものが、数本入っていて、値段は、ナッナント!2,000円。二千円ですよ~。ありえないでしょう。2,000円のタコの足を買うなんて!「あのね、ダメだよ、高すぎる。」と私。娘は、頑として、譲らない。「どうしても食べてみたい!」ダメダメダメ~。としばらくの押し問答の末の娘の一言。

「私がお金払うから買って。」

「はっ?自分で買うの?」

「うん、帰ったら、お年玉ためたので返すから、買って。」

「・・・。」

根負けした私は、買い物カゴからスルメの足を取りだし、タコの足を入れました。娘は満足そうにうなずきました。

お年玉でタコの足を買う小学生。食に対する好奇心が人一倍で、この仕事をしている私。まさに、カエルの子はカエル。娘のお年玉で高級珍味をご相伴にあずかった私がいちばんラッキーだったかも。

 

 

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